このページは 2006年 12月 11日 21時26分24秒 に更新されました。

太りとは?

大きな樹木の成長を測る場合,手の届く高さでの幹の太さは最も観察しやすい項目のひとつです。太さを測る間隔と精度を細かくしていった時,どのようなことがみえてくるのでしょうか。今回は「木の太り」について,農林水産省の大型別枠プロジェクト「生態秩序」で観察している経過について少しご紹介します。
アルミバンド製の成長バンド(デンドロメーター)を,胸高直径10〜40cm台のいろいろな大きさの木に巻き付けて,季節変化を観察しました。樹種は込みになっていますが,肥大成長は早い個体では4月下旬葉が出る前,遅いものでも6月上旬から始まり,8月半ば頃まで盛んな太りが続くようです。興味深いのは各個体がいつ頃最もよく太るのかということです。図−1に肥大成長が観察された期間と,太りかたが最も盛んな時期を示しました。縦軸は年間の太りです。上層の大きな個体はよく太り(上の3個体),成長期間の中頃に成長速度のピークがみられます。一方,小さな下層の個体はあまり太れず(下の3個体),ピークも太り出しのごく初めに少し太るのがせいぜいというところでした。このような優勢・劣勢個体の違いだけでなく,各樹種の成長パターンの特徴を理解していくためにも,より多くの観察を積み重ねていく必要があります。
林の中で起こる現象のよりよい理解のためには,対象の拡大・深化を図ることが欠かせません。太りを調べるうえではより細かく,より連続的なデータをとることが望ましいのですが,いつもデンドロメーターを眺め続けているわけにはいきません。そこでデンドロメーターに可変抵抗器を取り付けた簡単な仕掛(Hi−Fiデンドロメーター)をデータロガーにつなぐことで数分〜1時間間隔で,1/100ミリ単位の周囲長の動きを記録できます(図−2)。

[引用サイト] 研究の森からNo.21


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